【9月23日 CNS】中国・四川省(Sichuan)にある成都パンダ繁殖研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)で16日、ジャイアントパンダの歯科検診と応用研究プロジェクトが始まった。パンダの保護活動の歴史で、初めての大規模な歯科検診という。

【動画】ジャイアントパンダ、「歯科検診」受ける 中国・四川省

 パンダは少なくとも800万年前から生息している「生きた化石」として知られ、世界の生物多様性保護の観点からも重要な種だ。

 パンダは日ごろ主に竹を食べているが、食べられる種類は少なくてしかも堅く、歯は摩耗しやすい。歯に問題があっても他の食べ物で代替するのも困難なため、初めてとなるパンダの歯科治療と口腔(こうこう)ケアに取り組んだ。

 マカオ・ジャイアントパンダ基金の資金提供により、パンダ基地は南アフリカの獣医師・歯科専門家のセドリック・タット(Cedric Tutt)博士を招待。タット博士とパンダ基地の獣医師らが共同でパンダの口腔内を詳細に検査した。歯のエックス線写真および歯の形を調べる3Dスキャンも撮った。

 サンプルとして検査した20頭のうち、一部のパンダは軽度の歯肉炎と歯石、摩耗、中度の変色が見つかったが、健康に影響はないという。また、一部のパンダは歯髄が露出しており、根管治療が必要と判明されたが、全体的には歯と歯茎は健康な状態だった。

 今回の歯科検診では、パンダの口腔疾患の予防と治療に重要なデータを得ることができたという。 (c)CNS/JCM/AFPBB News