【9月20日 AFP】香港の警察が民主派の抗議デモ参加者に過度の暴力を振るい、拷問といえる事例もあったとの調査報告書を、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が20日発表した。「見境なく非合法な戦術を用いた憂慮すべき行動様式」が見られると非難している。

 報告書は、抗議デモで逮捕された21人を対象にアムネスティが行った聞き取り調査の結果をまとめたもの。うち18人は、逮捕後に負傷で病院に入院している。

 それによると香港の警官は、現地の法律や国際基準で許容される範囲を超えた警察力を日常的に行使していたとされる。「逮捕された調査対象者はほぼ全員、逮捕時に警棒やこぶしで殴られたと証言した。抵抗しなかった人も例外ではなく、既に拘束されているのに殴られた事例もあった」と報告書は述べている。

「報復に飢えているかのように、香港の治安部隊はデモの最中、参加者らに対して見境なく非合法な戦術を用い、憂慮すべき行動様式に従事している」とアムネスティ東アジア地域事務所所長ニコラ・ベクラン(Nicholas Bequelin)氏は指摘。「恣意(しい)的な逮捕や、拘束したデモ参加者への報復的な暴力も含まれている。拷問に等しい事例も複数ある」と述べた。

 アムネスティは、警察の暴力行為をめぐる独立調査への呼び掛けに支持を表明した。独立調査はデモ隊が要求している主要項目の一つだが、香港政府と警察上層部はこの要求を拒否している。(c)AFP