【10月9日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のプール最終戦に影響をもたらす可能性がある、強い勢力の台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)が進路を変えたことで、予報士や解説者はどの試合が影響を受け、どのチームが恩恵を受けるのかを思案している。

 九州南部に上陸するだろうという前日の予報が大きく変わったが、日本周辺では毎年平均して約20個の台風が現れており、こうした急な進路変更は珍しいことではない。ハギビスは東寄りの進路を取り続け、日本列島から完全に離れる可能性もある。

 気象庁(JMA)の職員はAFPの取材に応じ、「本州では早ければ金曜日(11日)にも大雨となり、土曜日(12日)と日曜日(13日)はさらに悪化する」とコメントした。

 ハギビスの最大瞬間風速は75メートルで、気象庁の階級分けでは最高レベルに当たる「猛烈な」台風に分類されている。日本に接近する前に弱まると予測されているが、それでも「非常に強い」台風になるという。

 仮に現在の予報通りとなれば、九州で行われる決勝トーナメント進出に関わる試合(12日に福岡で行われるアイルランド対サモア戦、13日に熊本で行われるウェールズ対ウルグアイ戦)への影響度は弱まりそうだ。

 しかし台風が東寄りに進路を変えたことで、今度は東京のすぐ南に位置する横浜で行われる二つの大一番に危機が訪れている。横浜では12日にプールCの天王山であるイングランド対フランス戦が行われ、13日には日本が準々決勝進出を懸けスコットランドと対戦する。

 W杯の組織委員会は8日遅く、「台風の進路や影響を正確に予測するのはまだ早すぎる」と警告した。「しかし、気象予報士の最新の予報では、現在台風は北東の方向に向かっており、10月12日には東京や周辺の地域に強風や大雨をもたらすことになりそうだ」

 組織委員会は「強硬的な緊急措置」を用意していると述べており、仮に悪天候が試合の開催に影響を及ぼすようであれば、試合会場や試合時間の変更もあり得るとしている。

 組織委員会は発表文の中で「チームやファン、働く人の安全が保証されるのであれば、必要に応じてこれらの案を実行する」と記した。

 仮にプール戦が中止となった場合、その試合は0-0の引き分けという扱いになる。

 イングランド対フランス戦が中止になった場合は、イングランドの首位通過が決まり、準々決勝では長年のライバルであるオーストラリアと対戦する可能性が高い。

 また、スコットランド戦が0-0の引き分けという扱いになれば、日本はプールAを首位で通過することになり、前回の大会で34-32で勝利するという番狂わせを起こした南アフリカと再び対戦することになりそうだ。

 一方、前日に行われる試合でアイルランドがサモアを下した場合、13日の日本戦が中止になれば、スコットランドには決勝トーナメントに進出できないという惨事がもたらされる。(c)AFP