【9月20日 AFP】欧州連合(EU)との協調路線に転じたイタリアの新政権は19日、欧州大陸の境界周辺の危機に備えて各国が防衛協力を強化するフランス主導の「欧州介入イニシアチブ(EI2)」に参加する意向を表明した。

 イタリアのジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は前日、ローマを訪問したフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領と会談したばかりで、今回の発表は、反EUを掲げポピュリストと呼ばれた前政権の姿勢からの転換を目的としている。

 首相官邸は声明で、「イタリアは欧州介入イニシアチブに加盟する用意があることを正式に伝え、地中海周辺地域の治安部門に国の専門技術を提供する」と表明した。

 さらに、EUと北大西洋条約機構(NATO)の枠組みを超えて整備されたEI2にベルギー、英国、デンマーク、エストニア、フィンランド、ドイツ、オランダ、ポルトガル、スペインが加盟していることにも言及した。

 EI2は共同軍事作戦の迅速な実施、市民の避難、災害時の支援提供を可能にすることを目的としている。このイニシアチブを主導するマクロン氏は、「真の欧州軍」の創設を呼び掛けている。

 歴史的に同盟関係にあるイタリアとフランスは、過去2年は不安定な関係が続いたが、今週は特に深刻な問題となっている移民をめぐり、協調姿勢を見せている。(c)AFP