【9月20日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は19日、サウジアラビア国内の石油関連施設への攻撃で生じている危機について、米国は平和的解決を望んでいると表明した。イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はこれに先立ち、事態が「全面戦争」に発展する可能性があると警告していた。

 攻撃は先週末、サウジ国内の石油関連施設2か所に対して行われ、同国の石油生産が半減した。

 ポンペオ長官は、攻撃はイランによる「戦争行為」だと非難。サウジとイランが数十年にわたり支配力を争い、軍事衝突の危険をはらむ地域において、対立が不測の事態へと発展するリスクが生じている。

 攻撃をめぐっては、イランが繰り返し責任を否定しているほか、イエメンの反政府勢力が犯行を主張しているが、ポンペオ長官は同盟関係にあるサウジとアラブ首長国連邦(UAE)の両政府と会談した後、イランが攻撃を実施したという「非常に大きな共通認識」が地域に存在すると述べた。

 一方、同長官は記者団に対し、米国は対立を抜け出す道を見いだすつもりだと表明。「われわれは平和的解決を望む。これまでそのことを示してきたと考えている」とし、「イランも同じ見解であることを希望している」と述べた。

 ザリフ外相はポンペオ長官の発言に先立ち、米国やサウジがイランを軍事攻撃すれば「全面戦争」が起こる可能性があると警告。19日放送された米CNNとのインタビューで「われわれは戦争を望まない」と述べる一方、「われわれは目をつぶることなく自らの領土を守る」と述べた。(c)AFP/Sarah Stewart with Anuj Chopra in Riyadh