【9月19日 AFP】本来の生息地のニュージーランドから約2500キロ泳いでオーストラリアで保護されたキマユペンギンが、健康を取り戻し野生に戻された。

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 衰弱したこのペンギンはメルボルン(Melbourne)の南に位置するローン(Lorne)近くの岩場でもがいているところを発見された。

 メルボルン動物園(Melbourne Zoo)のマイケル・リンチ(Michael Lynch)獣医局長は、ペンギンは体重不足だったため、餌を数週間かけて少しずつ与え、徐々に水に慣らさなければならなかったと述べた。

 キマユペンギンは餌を探して長い距離を泳ぐことで知られる。海の中で過ごす時間があまりに長く、時には尾羽にフジツボが育つほどだ。絶滅危惧種に指定されているキマユペンギンは、野生下の個体数は推定5000羽とされている。

 2か月育てられたペンギンは今月、健康であることが認められ、個体識別用マイクロチップを埋め込まれてビクトリア(Victoria)州沖フィリップ島(Phillip Island)の浜辺で野生に戻された。

 リンチ氏は「海での暮らしは厳しいものだが、われわれはこのペンギンがニュージーランドへ戻り、ゆくゆくは繁殖するのを期待している」と話している。(c)AFP