【9月20日 AFP】次世代通信規格「5G」の通信網整備がいち早く進められているスイスで、5G用アンテナから出る電磁波による健康への影響に対する懸念が浮上し、全国的な反対運動が広がっている。

 今月21日には首都ベルンの政府庁舎前で大規模な5G反対デモが実施されるほか、ジュネーブ(Geneva)州など多くの州でアンテナ設置工事の凍結を求めるオンライン署名が多く寄せられている。

 また、5G用のアンテナが発する電磁波にさらされることによる健康被害への懸念から、住民投票によりこの問題を直接国民に問うべきとの声も上がっている。

 新規に設置されているアンテナはないものの、通信事業各社は既存4G用アンテナの5G用への改修作業を進めている。通信事業会社スイスコム(Swisscom)によると、2019年中に人口の9割が5Gを利用できるようになる。

 一方、従来の移動通信技術と比較して5Gには前例のない健康および環境へのリスクがあるとして、反対派は5Gサービスの全面停止を当局に訴えている。

 スイスの医師会も注意を呼び掛けており、「電磁波の制限値を上げても健康に影響はないとの科学的根拠がない限り、引き上げは控えるべきだ」との立場を崩していない。(c)AFP/Agnès PEDRERO