【9月18日 Xinhua News】中国・四川省(Sichuan)にある成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)でこのほど、ジャイアントパンダの歯科臨床技術と応用研究に関するプロジェクトが正式に始動した。中国マカオ・ジャイアントパンダ基金の支援の下、研究基地は南アフリカの獣医師・歯科専門家セドリック・タット博士を特別に招き、口腔内検査を行った。パンダの保護活動の歴史の中で系統的で大規模な歯科検診が行われるのはこれが初めて。

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 国内外の専門家は、口腔内の衛生、歯の発育、歯内・歯髄・歯周の状態などの角度から、パンダによく見られる口腔疾患について詳細な検査を実施し、そうした疾患の検査やケア、歯のレントゲン撮影や歯牙解剖学に基づく3Dスキャンを行った。

 抜き取り検査を受けた20頭のパンダのうち、一部に軽度の歯肉炎や歯石、軽度の歯牙摩耗や中度の歯牙着色が見られた。また、歯牙の摩耗により歯髄が露出し、根管治療を必要とする個体もいた。しかし、全体として今回検査を受けたパンダの歯牙と歯肉は、いずれも良好で健康な状態にあった。

 パンダ基地の獣医師によると、普段竹を主食としており、種類が単一で硬いため、歯が摩耗しやすく、歯に問題が生じても他の食品で代替することが難しい。そのため、歯の手入れと口腔医療はパンダの臨床医学において必要不可欠だという。今回実施された口腔内検査は、口腔疾患の予防や治療のために重要な参考データを提供した。(c)Xinhua News/AFPBB News