【9月18日 AFP】14日に起きたサウジアラビアの石油施設攻撃に対する米国の反応に不安が広がっている──。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)の「親密な関係」が、激しい議論を巻き起こしているのだ。

 トランプ氏は17日、サルマン皇太子との協議ため、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官をサウジのジッダ(Jeddah)に派遣した。米当局はこれに先立ち、世界最大の石油施設であるサウジのアブカイク(Abqaiq)油田の石油施設攻撃に関与したとしてイランを非難していた。

 攻撃後にトランプ氏が投稿した最初のツイートには、米国がサウジに従うといった姿勢があからさまにみられた。これには米政府関係者も驚いた。ツイートには、「どうやってことを進めていくかについて」サウジからの意見を待っていると書かれていたのだ。

 2020年米大統領選へ向けた民主党予備選に立候補しているトゥルシ・ガバード(Tulsi Gabbard)下院議員は、トランプ氏の投稿をあざ笑った。同氏は、米国の軍事介入には批判的な考えを持っている。

 ガバード氏はトランプ氏のスローガンである「アメリカ・ファースト(米国第一)」を引き合いに出し、「トランプ氏はご主人サウジの指示待ちだ。わが国がまるでサウジアラビアの手下であるかのように振る舞っており、『アメリカ・ファースト』とは言えない」と揶揄(やゆ)している。

 石油施設への攻撃について、匿名で取材に応じたある米当局者は、サウジ主導の連合軍から攻撃を受けているイエメンの反政府組織フーシ派(Huthi)に責任があるとしながらも、攻撃はイランから実施されたと述べた。

 共和党は攻撃の背景にイランがいることに賛同したが、民主党はイラク戦争(Iraq War)の教訓から慎重な態度を崩しておらず、米国はサウジとイランの緊張を和らげるべきだと主張している。