■コリアンドリーム

 韓国の生活は、北朝鮮から新たにやって来た人にとっては文化的、経済的に慣れないことが多く大変だ。家族の支援ネットワークがないシングルマザーは、それもよりさらに複雑な問題に直面している。

 ソウルにある北韓大学院大学(University of North Korean Studies)のキム・ソンギョン(Kim Sung-kyung)教授は、「子どもの世話をする必要があると、結局はパートタイムの不安定な仕事を探すことになる」と話す。「これが悪循環の始まりで、経済的に適応し、安定した生活を送ることが難しくなる」

 韓国政府は新たに韓国に来た脱北者に、定住支援として一時金約800万ウォン(約70万円)を支給している。さらに支援を受けることもできるが、制度が複雑過ぎるため諦めてしまう人もいる。

 北朝鮮出身のひとり親や障害者の支援をしている北朝鮮出身の活動家、イ・ナギョン(Lee Na-kyung)氏は、「みんな『コリアンドリーム』を夢見て民主的な韓国にやって来る」が、うつ病など病気になる人が多いと話す。

 韓国にやって来たシングルマザーは話し相手がおらず孤立していると、イ氏は指摘する。「北朝鮮ではたとえ貧しくても孤独を感じることはなかったと彼らは言っている」 (c)AFP/Sunghee Hwang