【9月18日 AFP】スペインの暫定政権を率いるペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は17日夜の記者会見で、11月10日にやり直し総選挙を行うと発表した。同国での総選挙は過去4年で4回目。4月の選挙を受けた他党との連立交渉で、首相続投への議会承認を受けるのに必要な支持が得られなかった。

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 国王のフェリペ6世(King Felipe VI)は17日、サンチェス首相の発表に先立ち各党党首との会談を終え、政権樹立に必要な支持を得られる首相候補はいないとの結論を示していた。

 サンチェス首相率いる社会労働党(PSOE)は4月の総選挙で勝利したが、獲得議席は下院定数350のうち123にとどまった。そのため、同首相が新たな任期を務めるには、分裂の深刻なスペイン議会において他党の支持を得ることが不可欠となっていた。

 スペインは北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の分離独立運動や高失業率、低賃金、不安定な雇用といった課題を抱え、安定政権を必要としている。

 世論調査によると、社会労働党はやり直し選挙で議席を積み増すものの、依然として過半数には届かないとみられている。

 スペインでは2015年12月の選挙で急進左派ポデモス(Podemos)や自由主義経済の推進を掲げるシウダダノス(Ciudadanos)が台頭。実質的な二大政党制が終わり、政情不安が続いてきた。

 さらに今年4月の選挙では、新興極右政党ボックス(VOX)が議席を獲得。政治情勢はいっそう複雑化している。(c)AFP/Daniel SILVA