■フーシ派による武器増強

 フーシ派は2015年から、イエメンでサウジアラビア主導の連合軍と戦いを展開しており、そして、サウジの防衛をすり抜けることができる長距離の攻撃能力を増強していると、これまでに何度も表明している。

 3月にはサウジの領空境界から120キロ以上入ったところにある淡水化施設をドローンで上空から撮影し、その映像を公開した。また5月には、サウジの東部州(Eastern Province)から紅海(Red Sea)までつながる主要パイプラインをドローンで攻撃し、一時的に閉鎖に追いやった。さらに6月には、少なくとも20基のミサイルとドローンでサウジを攻撃し、犠牲者を含む被害が出ている。

 英ロンドン大学キングスカレッジ(King's College London)のアンドレアス・クレイグ(Andreas Kreig)教授は、「フーシ派は近年、特に弾道ミサイルとドローン技術を大幅に増強している」と、一連の攻撃発生時にAFPの取材で述べていた。

 フーシ派が公開した動画には少なくとも15機の無人ドローンとさまざまなミサイルが捉えられていた。こうした最新兵器には、「アルクッズ(Al-Quds、エルサレムの意味)」と名付けられた長距離巡航ミサイルの他、爆弾を搭載して1500キロ先のターゲットも攻撃できるドローン「サマド3(Sammad 3)」も含まれているという。

 サウジアラビア主導の連合軍報道官は16日、今回の攻撃に使われた武器が「イランからのものだということをすべての状況が示している」と指摘した。

 専門家らは、ドローンの脅威がこれからも続く見込みで、国家の防衛や反政府組織の武器をも変えていくとの見方を示している。(c)AFP/Michel MOUTOT