【9月17日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所はこのほど、同研究所の研究者がカナダのロイヤルオンタリオ博物館と協力し、約5億年前の古生物を新たに発見したと明らかにした。「Mollisonia plenovenatrix」と名付けられた新種は、現在知られている最古の鋏角(きょうかく)類の節足動物とされる。今回の発見で、鋏角類(節足動物鋏角亜門)の起源は、定説よりもさらに約3000万年さかのぼることが判明した。

 関連する研究成果は12日、英科学誌「ネイチャー(Nature)」に掲載された。

 鋏角類は、サソリやクモ、ダニ、カブトガニなど11万5000種以上の節足動物からなる巨大なグループ。口先にペンチ状の小さな捕食用の付属肢が1対あることからその名がついた。  

 今回見つかった「Mollisonia plenovenatrix」の体長は約2.5センチ。親指の先ほどの大きさしかないが、研究者はこれが一種の「どう猛」な捕食動物だったと考えている。頭部にある大きな楕円(だえん)形の1対の目、口先にある典型的な鋏角、および多くの付属肢により獲物を殺し、はさみ持ち、粉砕する能力を持つ。頭部には、さらに3対の歩脚があり、体の後部の付属肢には3枚のえら状構造が見られる。研究者はこれらの構造から、Mollisonia plenovenatrixが約5億年前の海底に生息していたと可能性が高いと判断する。

 今回の研究に参加した中国科学院南京地質古生物研究所のフランス籍ポストドクター、セドリック・アリア氏は、形態的にみて新種は現生鋏角亜門動物に近いと指摘。従って、鋏角亜門動物の本当の起源はさらに古く、現生生物の最初の祖先がほぼ出そろったとされる「カンブリア大爆発」の初期にはすでに出現していた可能性が高いとの見方を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News