【9月16日 AFP】米製薬大手パーデュー・ファーマ(Purdue Pharma)は15日、破産を申請したと発表した。これにより、麻薬性鎮痛薬オピオイドがもたらした危機的状況をめぐる訴訟の和解に向け、100億ドル(約1兆1000億円)以上の充当を目指している。

 米国におけるオピオイド中毒のまん延の責任の大きな部分を負っているのが、パーデューの処方鎮痛剤「オキシコンチン(OxyContin)」だとされ、同社は州や国レベルで数千件規模の訴訟を抱えている。

 裁判所が和解を認めれば、パーデューの総資産が原告と米国民の利益のために設立された機関に移される。

 パーデューのスティーブ・ミラー(Steve Miller)会長は、今回の提案により「米全土でオピオイド危機への対応に取り組む団体に、巨額の資金と重要なリソースが提供されることになる」と述べている。

 同社は、連邦破産法第11章の下で再建を目指し、原告側が新会社の取締役会を選任し、破産裁判所の承認を受けるとしている。

 ミラー氏は、会社再建により「訴訟を長引かせて巨額の資金や長い年月を無駄にする」ことが回避できるという見方を示した。

 パーデューの破産に加え、同社創業一族の大富豪サックラー(Sackler)家が、和解に向け30億ドル(約3200億円)を支払う見通し。この金額はさらに増える可能性もあるとみられている。(c)AFP