【9月16日 AFP】今月20日に開幕する2019年ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)の大会主催者などは、先週8日に関東に上陸した強力な台風15号(アジア名:ファクサイ、Faxai)によって一部チームの到着が遅れたことから学び、自然災害の多い日本向けの綿密な緊急事態対策を用意していると強調した。

【特集】ラグビーW杯日本大会の試合会場

 数日後にラグビーW杯の開幕を控える中、大会の統括責任者を務めるアラン・ギルピン(Alan Gilpin)氏はAFPの取材に対し、台風15号上陸の当日に試合が予定されていたら中止となっていただろうと語った。

 ギルピン氏は一方で、「試合会場が集まる東京と横浜を近年最大規模の台風が通過したが、問題はない」と語った。

 台風15号は記録的な風雨を伴って東京都と千葉県に直撃し、成田国際空港(Narita International Airport)につながる交通機関に影響を及ぼした。千葉県では現在も停電の戸数が9万戸に上っている。

 台風の影響によりイングランド代表は成田空港で5時間足止めを食らい、オーストラリア代表の現地出発も延期を余儀なくされた。

 しかし、ワールドラグビー(World Rugby)のブレット・ゴスパー(Brett Gosper)最高責任者(CEO)は、こうした事態が「台風の規模でみればささいなもの」だったとの認識を示し、「緊急事態対策が順調にいくかどうかはやってみなければわからないが、対策は綿密に練られており、対応が必要になる同様の事象が日本では起きることも把握している。全ての対策は万全だ」と強調した。

 ギルピン氏は台風15号について、「週末の試合に向けた正確な実情をたどり、シナリオ通りにやってみる」貴重な機会を与えてくれたと指摘。また、同様の天候となりそうな際には3時間ごとに天気予報の情報を受け取ることも明らかにした。

 ギルピン氏によると、試合中止は開始時刻のおよそ24時間前に決定され、約8時間前に最終的な承認が行われるという。

 日本の南では熱帯低気圧が発生し、現在の予報では本州に進むとみられるが、おそらく主催者側が緊急時対策を実施するまでには至っていない。

 グループリーグの試合が中止となった場合、当該試合は0対0の引き分け扱いとされるため、接戦が予想されるトーナメントに大きな影響が及ぶ可能性もある。(c)AFP/Richard CARTER