【9月16日 AFP】香港で15日、民主派が無許可のデモを行い、火炎瓶や石を投げた一部のデモ隊に対し、警察は催涙ガスや放水銃を使用した。ここ数日は衝突が比較的少ない状態が続いていたが、香港に再び混乱が広がった。

 香港の大規模な抗議行動が始まってから99日目となったこの日は、当局に抗議する数万人が市内を行進した。デモに参加した強硬派の小集団が、政府庁舎に向けて防御壁越しに火炎瓶や石などを投げつけ、警察は催涙ガスや放水車で対応した。一連のデモではしばしば政府庁舎付近から衝突が起きている。

 地元のテレビネットワークが放送した映像には、デモ参加者らが共産主義国家中国の建国70周年を祝賀する巨大な横断幕を引き裂いて燃やし、中国国旗にも火を付ける様子が捉えられていた。

 日が落ちるにつれデモ隊は、機動隊と青く着色した水を放出する放水車に押し返された。

 15日は一部のデモ参加者がバリケードの設置や放火、地下鉄駅で破壊行動に及んだが、大半は直接的な衝突を避け、警官隊が近づくと逃げていた。

 夕方には炮台山(Fortress Hill)や親北京的な心情のとりでとなっている北角(North Point)で、政治的な立場を異にする人たちの間のけんかも起きた。目撃者によると、炮台山では棒などを持った親北京派の人たちが人々を襲ったが、数で勝る反政府デモ隊に反撃されていたという。

 今夏、数百万人を抗議デモに駆り立てたのは、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案に対する怒りだった。香港政府は、同改正案を完全に撤回すると今月4日に発表している。(c)AFP/Jerome TAYLOR, Yan ZHAO