【9月15日 AFP】熱帯暴風雨「ウンベルト(Humberto)」が14日、カリブ海(Caribbean Sea)の島国バハマに強い雨と風をもたらした。同国はハリケーン「ドリアン(Dorian)」で壊滅的な被害を受けてから2週間とたっておらず、救助活動に遅れが生じる恐れがある。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、最大風速22メートルのウンベルトの中心は14日夜、ドリアンでとりわけ大きな被害を受けたグレートアバコ島(Great Abaco Island)の北およそ110キロを通過した。

 ウンベルトはバハマ通過後、米フロリダ州の東海岸から大きくそれていく見込み。勢力を強め15日夜にハリケーンになるが、その時点ではバハマや米国に被害を及ぼすことはないとみられている。

 バハマ国家緊急管理庁(NEMA)は、多くの地域で約50~100ミリの雨が予想され、低平地では前例のない洪水が発生する恐れがあると警戒を呼び掛けていた。

 ドリアンによる死者数は現時点で52人だが、約1300人が今も行方不明となっていることから増加する見通し。NEMA報道官によると、当局は新しいデータを相互に参照しながら、不明者の捜索を進めているという。

 バハマのヒューバート・イングラハム(Hubert Ingraham)元首相は先週初め、最終的な死者数が数百人に達する恐れがあると述べていた。(c)AFP