【9月21日 CNS】中国で大人気のアニメーション映画『哪吒之魔童降世(英題:Ne Zha)』の関連商品をめぐり、正規版と海賊版の攻防が生まれている。正規の商品は販売までに1年かかる場合もあるのに対し、海賊版では、15日ほどしかかからないのだ。

【関連記事】40年前の名作国産アニメ映画を大胆改編 「哪吒之魔童降世」が大ヒット

 7月26日の公開以来、『哪吒之魔童降世』は中国映画史の興行収入ランキングで2位となり、9日時点で累計47億5000万元(約722億円)を記録。公式微博(ウェイボー、Weibo)は「中国アニメと共に成長」というクラウドファンディングの企画を7月28日に発表し、バッジ、キーホルダーなどの関連商品を製造・販売することを明らかにした。ただ、ものによっては1か月から半年、あるいは1年かかる場合もあるという。

 しかし、正規版が発売される前に、海賊版の商品はショッピングサイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」で販売されている。

 映画制作や関連ビジネスを手掛ける「彩条屋」によると、関連商品の正規版は、販売許可を取得済みの「歪瓜出品(Waigua Chupin)」「喵屋小鋪(Miaowu Xiaopu)」など6店のみで取り扱い、品目数は100種類超だ。

 「この種の商品、先行販売でよく売れます。型を作ってから販売までに15日間以上かかるので、先に写真を撮ってネットで先行注文を取ります」。これは、タオバオで版権無許可の『哪吒之魔童降世』の関連商品を販売している店主の話だ。Tシャツ、フィギュアなどの海賊版はタオバオ店舗で大量に販売されており、価格は20元(約300円)から299元(約4500円)。タオバオで検索すると、関連商品の数は1万点を超える。

 海賊版は公式手続きを省き、サンプルの監修も受けないので、正規版よりずっと早く発売できるのだ。

 すでに販売されている正規版のうち、Tシャツは「歪瓜出品」と「喵屋小鋪」で月間約1万枚を売り上げている。映画配給会社の光線影業(Enlight Pictures)は、著作権に関する声明を出した。海賊版を阻止し、原作者と製作者の正当な権利を尊重するよう呼び掛けている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News