【9月13日 AFP】フランス首都パリで13日、地下鉄などの公共交通機関の職員らが、計画されている年金制度改革をめぐってストライキを決行した。終日続いたストで大規模な交通渋滞が発生し、多くの市民が自宅にとどまることを余儀なくされた。

 パリ交通公団(RATP)によると、市内の地下鉄16路線のうち10路線が全線運休となり、その他の多くの路線でも「非常に大きな乱れ」が出たという。

 わずかな運行路線のホームでは、大勢の乗客が電車を待っていた。また道路情報によると、朝のラッシュ時には通常の倍以上となる約300キロの交通渋滞が発生したという。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、これまで職業別に多数存在していた個別の年金制度を廃止し、統一年金制度の導入を計画している。これに反対して初めて実施されたのが、この日のストライキだ。

 地下鉄職員らをはじめ、新制度の反対派は、地下での長時間労働といった過酷な業務への埋め合わせとして数十年前に認められた早期退職の権利を奪い、勤務年数が増えると指摘している。

 仏会計院(Cour des Comptes)によると、国内の労働者の大半は63歳で退職する一方、RATP職員の平均退職年齢は2017年時で55.7歳だったという。

 今後数週間、政府に対する同様の抗議が続くとみられており、弁護士や航空・医療関係者らは、16日のストライキ実施を呼び掛けている。(c)AFP/Elisabeth ROLLAND and Joseph SCHMID