【9月14日 Xinhua News】中国電子商取引(EC)大手アリババグループ(Alibaba Group)が10日夜に開いた創立20周年年次総会で、最高経営責任者(CEO)の張勇(ダニエル・チャン、Daniel Zhang)氏が馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏の後任として、董事局主席に就任した。あいさつに立った張氏は、アリババの今後について、「グローバル化」「内需」「ビッグデータ・クラウドコンピューティング」の3大戦略に引き続き注力していくと語った。

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 張氏は、グローバル化とは未来だと説明。アリババはグローバル規模での取引や決済、物流、エンターテインメントを実現することで、デジタル経済のインフラやエコシステムが中国から世界へ発信されるよう貢献していくとの方針を示した。また、内需とは中国経済の未来であり、中国は将来的に消費や体験が主導する経済になるとの見方を示した上で、アリババは中国という最も巨大な市場でさまざまな消費ニーズに応え、ビッグデータを通じて新たなニーズを生み出す必要があると述べた。ビッグデータ・クラウドコンピューティングについては、原動力の源だと指摘。全ての業種がクラウド化し、あらゆるモノがインターネットでつながる時代に、アリババは顧客がインターネット企業やビッグデータ主導型企業になるよう継続的に手助けしていく必要があるとの考えを示した。

 アリババは年次総会に先立ち、新たなビジョンを公表。2036年には世界の消費者20億人にサービスを提供し、1億人分の雇用を生み出して、中小企業1000万社の利益創出を支援するとの長期目標を掲げた。

 張氏によると、わずか20年前に中国にインターネットが導入され、中国人の仕事や生活に影響を与え始めた。その20年後にデジタル技術が社会やビジネスなどあらゆる方面に影響するようになり、アリババもビジネスや金融、物流、クラウドコンピューティングを一体化させた「デジタル経済体」となった。張氏は、アリババの発展は時代に感謝しなければならないと語った。

 張氏がアリババに入社したのは2007年8月。通販サイト「淘宝網(タオバオ、Taobao)」の最高財務責任者(CFO)を務め、タオバオのビジネスモデルの設計に関わった。2009年末にはタオバオの黒字化を実現させ、モバイル版タオバオの発展にも貢献。毎年11月11日の独身の日に合わせて展開されるネット通販の一大イベント「ダブル11」の仕掛け人でもある。(c)Xinhua News/AFPBB News