【9月16日 AFP】オーストリアのクラーゲンフルト(Klagenfurt)にあるサッカースタジアムで5日、審判のホイッスルが鳴り響く代わりに、風にそよぐ木々のインスタレーション作品がメディアに公開された。

 会場は、2008年の欧州選手権(UEFA Euro 2008)の試合が開催されたベルターゼー・スタジアム(Woerthersee Stadium)。3万2000人収容の競技場のピッチほぼ全体が300本の樹木で覆われている。

 スタジアムに森を出現させたスイスの芸術家クラウス・リットマン(Klaus Littmann)氏は記者団に、「これまでにない状況に置かれた森林」というイメージを創造したかったと語った。

For Forest(森のために)」とタイトルが付けられたこの作品は、8日から10月27日まで一般公開される。

 一方で、地元の自治体が後援しているこの作品をめぐっては批判の声もある。

 スタジアムに移された300本の木は、苗木畑で育てられたポプラ、ブナ、カバノキ、カラマツなどで、会期終了後には撤去される。オーストリアの2部リーグに所属している地元のサッカーチームは、一時的に近隣の小型の施設に拠点を移している。

 映像は9月撮影・提供。(c)AFP