【9月13日 AFP】インドネシアの熱帯雨林で火災が急増していることが12日、衛星データで明らかになった。火災によるスモッグが東南アジア各地に広がっており、世界的な森林火災の増加が地球温暖化に与える影響がいっそう懸念されている。

 スマトラ(Sumatra)島やボルネオ(Borneo)島では、農園用地とするため違法に木々を焼き払う行為が横行。インドネシア政府は対応のため、空中消火用のヘリコプターや数千人の治安部隊を両島に派遣している。

 森林火災は世界各地で相次ぎ発生しており、南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で広大な面積が焼失。オーストラリア東部でも、例年より早く、異例の激しさで林野火災が広がっている。

 インドネシアでは例年、森林火災が問題となるが、今年は特に気候が乾燥しているため事態が悪化。最近では有害なスモッグがマレーシアにも広がり、外交問題を引き起こしている。

 森林火災とスモッグの発生を監視する東南アジア諸国連合(ASEAN)気象専門センター(ASMC、シンガポール)によると、インドネシアでは11日、衛星によって高い温度が検知された火災発生の恐れが強い地点、いわゆる「ホットスポット」の数が急増。

 ボルネア島のインドネシア側とスマトラ島を合わせたホットスポットの数は、前日の861地点から1619地点へと倍増した。

 AFP記者らによると、被害の大きいスマトラ島のリアウ(Riau)州では、消防士らが24時間態勢で活動を続け、焼け焦げた木々の間で濃い白煙を上げる炎を消し止めた。

 州都プカンバル(Pekanbaru)は濃い煙に覆われ、日中にもかかわらず空が暗くなった。住民の多くは、簡単なマスクを着けるだけで普段通りの生活を送ろうとした。(c)AFP/Dessy Sagita