【9月12日 AFP】独レーシングチームのメルセデスAMG(Mercedes AMG)は11日、2019-20シーズンから電気自動車(EV)で競う「フォーミュラE(Formula E)」に参戦すると表明した。チームのモータースポーツ部門で責任者を務めるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏が「新しいミッション」と称しているこのプロジェクトでは、ストフェル・バンドーン(Stoffel Vandoorne)とニック・デ・フリース(Nyck de Vries)がドライバーに指名された。

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で、ここ5季連続でドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権を制している王者メルセデスは、フォーミュラEの新車「メルセデス・ベンツEQ・シルバーアロー01(Mercedes-Benz EQ Silver Arrow 01)」の発表会を行い、ヴォルフ氏は「われわれは、新しいミッションに乗り出す。電動車でのミッションだ」と述べた。

 19-20シーズンで6季目を迎えるフォーミュラEは、DSテチーター(DS Techeetah)のジャン・エリック・ベルニュ(Jean-Eric Vergne)が昨季のドライバーズ選手権を制した。

 新シーズンからポルシェ(Porsche)とともにシリーズに新規参入することになったメルセデスは、マクラーレン(McLaren)F1チームの元ドライバーであるバンドーンと、フォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)のドライバーズ選手権で現在トップに立つデ・フリースを起用する。

 ヴォルフ氏はAFPの取材に対して、「新たな章の幕開けだ」「全てが電動式のクルマはこれが初めてで、本当に特別な瞬間だ」とすると、「目標はレースで戦うこと、もしくは選手権で勝つことだが、最初のシーズンは学ぶ姿勢で臨む」「われわれは新参者であり、謙虚でいる必要がある」と付け加えた。

 また、メルセデスとポルシェがBMWと一緒にグリッドに並ぶことは、フォーミュラEの注目度を大きく高めることになると確信しており、「主要なマニュファクチャラーの参戦は、市場価値を大いに高める」「シリーズはすでに素晴らしい発展を遂げているが、今年からポルシェとメルセデスが加わり、アウディ(Audi)やBMWと一緒に走ることになれば、シリーズは大いに盛り上がりを見せるだろう」と語った。

 今季のF2で3勝を記録し、ドライバーズ選手権では2位に59ポイント差をつけてトップに立っているオランダ出身のデ・フリースは、「ストフェルと同じチームで走るのを楽しみにしている」「彼は経験豊富で素晴らしいドライバーだ」と語った。

 一方、2016年から2018年まで3シーズンにわたりマクラーレンに所属し、F1のドライバーズ選手権で合計26ポイントを記録したベルギー出身のバンドーンは、「フォーミュラEの可能性はとてつもなく大きい、とにかく開幕が待ちきれないよ。とても大きなチャレンジになるだろうが、自信を持って楽しみにしている」とコメントした。

 映像は11日撮影。(c)AFP