【9月12日 AFP】米国は11日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)政権が対コロンビア国境に軍を配備したことなどを受け、米州地域の防衛に関する軍事条約である米州相互援助条約(TIAR、リオ条約)を発動した。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官によると、TIARの発動はマドゥロ氏と対立するベネズエラ野党の要請に基づくもの。ポンペオ氏は「対コロンビア国境へのベネズエラ軍の配備という最近の好戦的な動き、またベネズエラ領内の非合法武装集団やテロ組織の存在は、ニコラス・マドゥロがベネズエラ国民に脅威を与えているだけではなく、近隣諸国の平和と安全をも脅かしていることを示すものだ」と述べた。

 経済危機により多数の国民が国外脱出しているベネズエラでは、今年1月に野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が暫定大統領への就任を宣言して以来、政治危機にも陥っている。これまでに米国など50か国以上がグアイド氏を暫定大統領と認めている。(c)AFP