【9月12日 AFP】南太平洋の王国トンガのアキリシ・ポヒバ(Akilisi Pohiva)首相が12日朝、ニュージーランドの病院で死去した。78歳。ニュージーランド政府が発表し、トンガの民主主義の開拓者として同氏をたたえた。

 数年前から健康を害していたポヒバ氏は11日、肺炎の治療を受けるためトンガからニュージーランド北島オークランド(Auckland)の病院に空路で搬送され、トンガ政府が回復を祈るよう国民に呼び掛けていた。

■民主化で国王と対立
 
 ポヒバ氏は元歴史教師。1970年半ばごろ、王族と貴族が国政を握っていた絶対王政下で民主化運動に身を投じ、1987年に議員初当選を果たした。改革が進んで一般市民の声が政府に届きやすくなった2014年、首相に就任。

 2017年には国王ツポウ6世(Tupou VI)が議会解散を宣言し、ポヒバ氏を首相職から事実上解任したが、国民に人気の高いポヒバ氏は総選挙で再び首相に返り咲いた。

 虚弱な体質にもかかわらず、ポヒバ氏は精力的に活動を続け、先月にはツバルで開催された太平洋諸島フォーラム(PIF)に出席して気候変動への緊急対策の必要性を訴えたばかりだった。(c)AFP