【9月12日 AFP】ニュージーランドの先住民団体マオリ評議会(Maori Council)は12日、ニュージーランド航空(Air New Zealand)が機内誌のタイトル「キアオラ(Kia ora、マオリ語でこんにちはの意)」の商標登録を申請していることは文化の盗用に当たると抗議し、同航空をボイコットすると警告した。

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 先住民マオリの利益を促進するために設置されたマオリ評議会は、「キアオラ」というあいさつのフレーズはニュージーランド国民に広く使われており、ニュージーランド航空に商標登録する権利はないと主張している。

 評議会の広報担当ブレント・レイハナ(Brent Reihana)氏はテレビ局TV3に対し、「キアオラという言葉はマオリ語であり、商品化されることはマオリの人々にとって屈辱的だ」と語った。

 レイハナ氏は、ニュージーランド航空が商標化を取りやめない限り、評議会はボイコットを呼び掛けるだろうと述べ、「文化の盗用は決して正しいことではない…マオリ語は売り物ではない」と訴えた。

 ニュージーランド航空はマオリ評議会の要求に対するコメントは発表していないが、現地紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)に対し、商標登録の申請は機内誌のタイトル文字のデザインについてのみ行ったもので、マオリ語そのものに対してではないと説明。「企業において全てのロゴの商標登録は一般的に行われている」と述べた。

 レイハナ氏はこの説明に対し、ロゴの本質的な部分となっているのはマオリ語であり、商標に暗黙の所有権を与えることになると反論。「マオリ語を使うことには問題はないが、たとえロゴだけだとしても、言葉に商標を結びつけようとしてはいけない」と述べた。(c)AFP