【9月12日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)を代表するスーパースターのレブロン・ジェームズ(LeBron James)は11日、学生アスリートが自分の名前や肖像の使用権で報酬を得るのを許可する法案について、全米大学体育協会(NCAA)が反対していることに異議を唱えた。

 この法案はカリフォルニア州議会で同日に可決された後、ギャビン・ニューソム(Gavin Newsom)知事の元に送られた。これに先立ち、大学スポーツで絶対的な権力を持つNCAAは、マーク・エマート(Mark Emmert)会長と21人の理事会メンバーが署名した書簡の中で、法案が「憲法違反」で「有害」であると訴え、同知事に署名しないように促していた。

 NCAAは書簡で、「この法案が立法化されれば、NCAAに加盟するカリフォルニア州の58校は、選手の名前に加え、イメージや肖像の権利を無制限で使用することになる。そうなれば、学生スポーツとプロスポーツの明確な区別がなくなり、リクルートの際に不公平なアドバンテージを得た学校が、NCAAの大会に出られなくなる可能性が生じるからだ」と述べた。

 この法案に支持を表明していたジェームズは、NCAAの主張に関して、「もしくはこの法案によって、全員が協力してアスリートに公平な国策をつくり出せるかもしれない」と自身のツイッター(Twitter)に投稿した。

 学校側が多額の資金をかき集められるとしても、NCAAが定めるアマチュア規定では、学生アスリートが競技で収入を得たり、自身の名前やイメージ、もしくは肖像などの権利で報酬を受け取ったりすることは禁じられている。

 カリフォルニア州が可決した今回の法案では、アスリートに直接金銭を支払うことは禁じられているものの、ビデオゲーム会社からの収入のほか、サインやグッズなどで報酬を受け取ることは認められる。

 大学の水泳選手が水泳教室で報酬を得るのを禁じられるなど、学生アスリートがNCAAの規則と衝突している不公平な状況を踏まえ、一部の議員は「シューズの契約とかビデオゲームの話ではなく、NCAAのアスリートは夏にコーチのバイトで小銭を稼ぐこともできない。ソーシャルメディアで宣伝もできないし、ウエアのモデルも無理。食料を受け取ったり、家賃や備品の補助を受けたりすることもできない」と話し、法案を支持している。

 この法案によって、2023年1月からは学生アスリートが報酬を得ても、NCAAはその大学が大会に出るのを禁止することはできなくなる。法案の支持者は、それまでにNCAAが規則を変更する猶予が与えられると話している。(c)AFP