【9月12日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は11日、同国競馬のG1レースで2018年にクラシック三冠を達成したジャスティファイ(Justify)が、同年のケンタッキーダービー(144th Kentucky Derby)前に実施された薬物検査で失格しており、レースに出走する資格がなかったと報じた。

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 記事によると、ボブ・バファート(Bob Baffert)氏が調教していたジャスティファイは、2018年4月7日に米カリフォルニア州で開催されたサンタアニタダービー(Santa Anita Derby)で優勝した後、パフォーマンスを向上させる可能性があるとして禁止されているスコポラミン(scopolamine)に陽性反応を示していたとされている。

 同紙は「つまり競馬法に従っていたならば、ジャスティファイはケンタッキーダービーに出走できなかったはず」との見解を示すと、書類を確認したとした上で、カリフォルニア州競馬委員会(CHRB)が、ジャスティファイの検査失格をバフォート氏に知らせるのに3週間以上もかかり、通知したのはケンタッキーダービーの9日前だったと伝えた。

 CHRBは検査結果の確定に1か月以上も要し、ジャスティファイがケンタッキーダービー、プリークネス・ステークス(143rd Preakness Stakes)、そしてベルモント・ステークス(150th Belmont Stakes)を制して史上13頭目の三冠馬となった後、秘密裏に薬物違反の疑いを退けることを採択したとされている。

 また、CHRBは違反を問わなかった根拠として、禁止薬物に陽性反応を示したのは汚染されていた餌による可能性があると説明した揚げ句、のちにスコポラミンに違反した場合に科せられる罰金や資格停止などの処分内容を軽減したという。

 CHRBのリック・ベデカー(Rick Baedeker)専務理事は、タイムズ紙に対して、スコポラミンはチョウセンアサガオ類の雑草に含まれており、それらの草は気付かないうちに放牧地に生えているため、委員会としては慎重に動いていたと説明している。

「ケンタッキーダービーの前までに、調査報告書をまとめるのは無理だった」「それは不可能だ。不可能でないとしても、通常であれば2か月もかかる仕事を5日や8日でやれと調査官に指示するのは、軽率であり無謀なことだ。われわれは、そんなことをするつもりはなかった」 (c)AFP