【9月12日 AFP】(更新)ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)内にある太陽系外惑星の大気中に水蒸気が存在することを初めて確認したとする論文が11日、英科学誌ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)に発表された。

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 論文によると、この惑星「K2-18b」は質量が地球の8倍、大きさが地球の2倍で、液体の水が存在できるハビタブルゾーン内で恒星の周りを公転している。

 K2-18bは、米航空宇宙局(NASA)のケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡が発見した数百個の「スーパーアース(巨大地球型惑星)」の一つ。これまで4000個余り見つかっている太陽系外惑星のうち、岩石でできた表面と水を含む大気の両方を持つことが確認されたのはこの惑星が初めて。

 論文の共同執筆者でロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)の天文学者ジョバンナ・ティネッティ(Giovanna Tinetti)氏はAFPに対し、生命の痕跡を探す取り組みにおいて「この惑星は太陽系外で見つかっている中では最有力候補だ」と説明。「表面に海があるとの臆測はできないが、その可能性は十分ある」と述べた。

 同大のアンゲロス・チアラス(Angelos Tsiaras)氏率いる研究チームは、2016年と2017年にハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)が収集した分光データを基に、K2-18bの大気を通過した星の光をオープンソースのアルゴリズムを用いて分析。その結果、まぎれもない水蒸気の痕跡を確認した。

 水蒸気の正確な量は明らかではないが、コンピューターモデリングでは濃度が0.1~50%であることが示された。一方、地球の大気中の水蒸気濃度は南極・北極の上空で0.2%、熱帯地方で最大4%。

 K2-18bは、約110光年離れた天の川銀河(Milky Way)内のしし座にある赤色矮星(わいせい)の周りを公転しており、有害な放射線を地球よりも多く浴びているとみられている。(c)AFP/Marlowe HOOD