【9月11日 AFP】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は10日、今月17日に行われる総選挙で自身の続投が決まれば、同国が占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)にあるヨルダン渓谷(Jordan Valley)を併合する意向を示した。大きな物議を醸す公約を掲げた形だ。

 ネタニヤフ首相はテレビ放送された演説で「総選挙後、イスラエル主権を直ちに適用できる場所が一つある」と明言。「国民の皆さんから明確な信任を得た場合、次期政権の発足とともにヨルダン渓谷と死海(Dead Sea)の北部にイスラエルの主権を適用する意向だ」と表明した。

 イスラエル・パレスチナ紛争をめぐっては、長らく国際外交の焦点となっている2国家共存案での解決が望まれているが、併合が実現すればこの望みは事実上なくなりそうだ。

 パレスチナ自治政府高官のハナン・アシュラウィ(Hanan Ashrawi)氏は、ネタニヤフ氏は「2国家共存の解決案のみならず、和平の機会すべてをなくしている」と批判。AFPに対し「これで形勢が一変」するとの考えを示した。

 映像はネタニヤフ首相の演説、10日撮影。(c)AFP/Mike Smith and Stephen Weizman