【9月11日 AFP】身長が低い人ほど2型糖尿病を発症するリスクが高いとする研究結果が今週、医学誌「ダイアベトロジア(Diabetologia)」に発表された。

 論文によると2型糖尿病の発症リスクは、身長が10センチ高くなるごとに男性では41%、女性では33%減少するという。論文の執筆陣は、身長が低い人の方がリスクが高いことについて、肝臓の脂肪含有率がより高いこと、また心臓病や梗塞、糖尿病のリスク要因がより多いことが関係していると推測している。

 これまでの研究では、身長の高い人の方が、インスリン感受性やホルモンを分泌する膵臓(すいぞう)内の特定の細胞の働きがより良いことが報告されていた。

 今回の研究はドイツのポツダム(Potsdam)で1994年から1998年にかけて、40~65歳の女性1万6600人以上と男性1万1000人近くを対象に行われた詳細な医療調査を分析した。研究者らは「これらの所見は、身長が糖尿病リスクの有益な予測マーカーだということを裏付けるものだ」と結論付けている。

 国際糖尿病学会(International Diabetes Federation)によると、世界には約4億2000万人の糖尿病患者がおり、その数は2045年までに6億2900万人に増えると予測されている。

 糖尿病は1型と2型の2種類に分類される。糖尿病全体の1割を占める1型糖尿病は、血糖値を調節するホルモンの一種であるインスリンが体内で作られない状態で、通常幼少期に診断される。一方、2型糖尿病は、体内でインスリンは作られるが十分でなく、血中に糖がとどまってしまう。(c)AFP