■秘密結社禁止を求める声

 他の西アフリカ諸国と同様にシエラレオネでも、秘密結社が部族的、政治的に重要な役割を担っている。秘密結社のメンバーは社会的地位と人々の尊敬を得て、部族長や政府の仕事に就く機会も開かれる。

 シエラレオネ大学(University of Sierra Leone)のジョー・アリー(Joe Alie)教授(アフリカ研究)は、全人口の90%以上が先祖代々続く秘密の儀式に関与していると指摘する。

 だが、秘密結社に関連する誘拐や死亡事例さえ発生したことを受け、政府に秘密結社の一時禁止を求める声が上がり始めた。現在は、本人の同意なく未成年者に儀式を行うことは禁止されており、また秘密結社のメンバーではない人々に対する差別は違法となっている。

 しかし、専門家らは、効果は薄いとみている。元閣僚で、女性器切除の禁止を求める活動家のルギアトゥ・トュレ(Rugiatu Turay)氏は、「シエラレオネには学校よりもボンドの方が多い…政治家は選挙で票を獲得するために女性器切除の儀式を支援しており、この習慣をやめさせるのはむずかしい」と述べた。