【9月11日 AFP】ブラジル・アマゾン盆地(Amazon Basin)に生息するデンキウナギはこれまで1種しか存在しないと考えられていたが、実は3種存在することが、DNA調査で明らかになった。うち1種の電圧はこれまで確認されていた最高電圧を上回るという。

 ブラジル、スリナム、ガイアナなどにまたがる「大アマゾン」として知られる地域には、1種類のデンキウナギしか存在しないとこれまで数百年の間、考えられていた。

 だが、米スミソニアン自然史博物館(Smithsonian National Museum of Natural History)の動物学者、C・ダビド・デ・サンタナ(C.David de Santana)氏が率いる研究チームは、南米大陸の辺境の地に生息する野生生物の分布地図を作成するプロジェクトの一環で、この通説を検証することにした。

 当初、アマゾン盆地の異なる地域から採集された個体に、視認できる違いはほとんど認められなかった。だが、研究チームが採集した標本107体のDNAなどの分析を進めた結果、これまで知られていたエレクトロフォラス・エレクトリクス種に加え、エレクトロフォラス・ボルタイ種、エレクトロフォラス・バリイ種という2種も存在することが明らかになった。

 研究チームらは、3種のデンキウナギが数百万年前に共通の祖先から進化したと推論している。

 また、3種のデンキウナギの生息域が明確に分かれていることも明らかになった。エレクトリクス種はギアナ盾状地(Guiana Shield)、ボルタイ種はその南に位置するブラジル盾状地(Brazilian Shield)、バリイ種は川の流れが遅い低地のアマゾン盆地の水域にそれぞれ生息している。