【9月13日 Xinhua News】中国の浙江大学(Zhejiang University)芸術・考古博物館が8日に開館し、日本から購入した写経「御願経」などの所蔵品の展示が始まった。この「御願経」は中国の唐代に相当する奈良時代に書かれた「仏説明度五十校計経」下巻で、全長10.5メートル。上巻は日本の正倉院が所蔵しており、いずれも貴重な文化財となっている。

 同館の楼可程(Lou Kecheng)常務副館長は、この写経は唐代の写経に極めて似ており、芸術面では中国の伝統文化の継承が見られ、研究面では仏教が日本に渡ったことが分析できると指摘。「1点の文化財の背景にある意味の解釈は非常に幅広く、さまざまな角度から研究できる。これこそが教育博物館が実物を所蔵する意義だ」と語った。

 楼氏はまた、同館が所蔵する日本書画は既に一定の規模に達しており、古筆切(こひつぎれ)や明治以降の中国風(唐様)書道が中心で、文人画や版画もあると説明した。

 同館によると、所蔵品は人類のさまざまな文明や時代を網羅しており、今後20年以内にこれらの文明の代表的作品を含む教育コレクションを確立する計画となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News