【9月10日 AFP】中国の電子商取引(EC)最大手、アリババグループ(Alibaba Group)の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)会長が10日、退任する。元英語教師のカリスマ経営者が、同社を中国経済に多大な影響を及ぼす大企業に成長させた華々しい成功の20年間に幕を引く。

 10日‎に55歳の誕生日を迎えた馬氏は、共同創業したアリババの経営を張勇(ダニエル・チャン、Daniel Zhang)最高経営責任者(CEO)率いる幹部らに託す。馬氏は自身の資産410億ドル(約4兆4000億円)を、教育などの慈善事業に充てる意向を示している。

 アリババは、中国の個人消費の潜在需要を掘り起こし、無数の大小企業に新たな機会を生み出し、インターネットを市民の日常生活の中核に据える一助を果たした。馬氏の会長退任で、アリババは新時代を迎える。

 流ちょうな英語で世界を駆け巡る馬氏は、2年前にはマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんのダンスを披露したこともある遊び心の持ち主で、中国企業幹部のドライなイメージを払拭(ふっしょく)した。

 アリババと馬氏に関する著作があるダンカン・クラーク(Duncan Clark)氏は、「馬氏の英語教師という経歴と、洗練されたユーモア感覚も含めた生来のカリスマ性が相まって、世界中で活躍する中国起業家の顔としての立場を不動のものにした」と分析している。(c)AFP/Dan Martin