【9月9日 AFP】 ロシアで8日、地方議員や州知事などを選出する統一地方選の投票が行われた。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領や与党系議員にとって試金石となる選挙だ。

 首都モスクワでは複数の野党候補が市議会選の立候補登録を拒否されたことを受け、今年夏から大規模な反政府デモが相次いで行われていた。統一地方選はロシア各地で実施されるが、モスクワが最も注目を集めていた。

 野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏系の野党候補者らが立候補登録を拒否されていた。野党勢力は、クレムリン(ロシア大統領府、Kremlin)と与党・統一ロシア(United Russia)に、選挙を通じて罰を与えようと呼びかけた。

 ナワリヌイ氏は有権者に対し、政党にこだわらず、与党系候補の当選を阻止する可能性が最も高い候補者に一票を投じる「賢い投票」をしようと呼び掛けた。そのような候補者の多くは共産党の候補者だった。

 専門家らは今回の地方選に関し、2021年に予定されている議会選を前に野党勢力が有権者の支持を集められるか、また当局が反対意見を受け入れる用意があるかが試される選挙だと指摘している。

 今回のモスクワ市議会選では、約730万人の有権者が45人の市議会議員を選出する。昨年行われたモスクワ市長選では、プーチン大統領の側近セルゲイ・ソビャニン(Sergei Sobyanin)氏が再選を果たしていた。

 モスクワの最終的な選挙結果は9日に発表される。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO