【9月9日 AFP】米国とアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)は8日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が予定していた極秘の首脳会談を突然中止すると発表した後も、新たな交渉の余地があるとの考えを示した。それでも米国はタリバンとの戦いの手を緩めることはないとも言明し、タリバンは米国に大きな犠牲を払うことになるとも警告した。

 トランプ氏は7日、大統領専用の別荘キャンプデービッド(Camp David)で、タリバン幹部やアフガニスタンのアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領らと極秘で会談する予定だったが、アフガニスタンの首都カブールで起きた自爆攻撃で米兵が1人犠牲になったことを受けて会談を取りやめていた。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は8日、テレビでの一連のインタビューで、交渉に戻る可能性を排除しないと表明した。一方で米国はタリバンからの「有意義な参加」を必要とすると指摘。タリバンが義務を果たさない場合、トランプ氏は「圧力を弱めることはない」とも述べた。

 タリバンの報道官はトランプ氏の決定によって「米国人は他の誰よりも痛手を受けることになる」と警告。同時にタリバンは「占領の完全な終結」を目指す交渉の場に「米国側が戻ってくる」ことを依然として信じていると言明した。

 アフガニスタンでは数週間後に大統領選挙を控えており、タリバンが投票を混乱させる狙いで攻撃を強めるとの懸念が高まっている。(c)AFP/Shaun TANDON