【9月10日 Xinhua News】中国の長江(揚子江、Yangtze River)流域に生息するヨウスコウワニは、中国固有の希少種で世界最小のワニの一種でもある。個体数が非常に少ないため、国家1級重点保護動物に指定されている。

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 安徽(Anhui)ヨウスコウワニ国家級自然保護区は1982年に設立され、面積は1万8565ヘクタール。安徽省宣城市(Xuancheng)と蕪湖市(Wuhu)の一部の県・区にまたがる。保護区管理機関から生態観察員として委託された地元農家の21人が毎日、保護区内を巡回し、野生のヨウスコウワニの安全な生活環境を確保している。

 そのうちの一人、佘世珍(She Shizhen)さん(78)の一家は、宣城市周王鎮(Zhouwang)紅洋村(Hongyang)にある紅星ダムのほとりに住む。一帯は同保護区の保護ポイントとなっており、野生のヨウスコウワニ20匹以上が生息している。佘さんと家族は37年間1日も欠かさず、気温や風向き、鳴き声、活動状況を丁寧に記録した観察日記をつけてきた。その数は23冊に上り、ヨウスコウワニの研究に重要な役割を果たしている。

 関係機関と佘さんのような民間スタッフの努力が実り、昨年の自然資源調査では、野生のヨウスコウワニの個体数が200匹近くに増えたことが分かった。保護区で人工繁殖に成功したヨウスコウワニは1万6000匹を超える。(c)Xinhua News/AFPBB News