【9月10日 Xinhua News】中国初の国産極地探検クルーズ客船の引き渡し式が6日、江蘇省(Jiangsu)の海門市(Haimen)で行われた。中国招商局工業集団が建造した同船は「グレッグ・モーティマー」(GREG MORTIMER)号と命名され、発注元の米サンストーン・シップスに引き渡された。中国がクルーズ客船の建造分野で重要な進展を遂げたことを示している。

 同船は両社が締結した極地探検クルーズ客船建造契約の1番船にあたり、2018年3月16日に起工された。オーストラリアの極地探検専門旅行会社がチャーターし、バハマ船籍も取得。引き渡し後、12日間の南極初クルーズに就航する。

 全長104.4メートル、全幅18.4メートル、喫水5.1メートルで、最大速力は16.3ノット。客室数は135室、乗船定員は254人。内装デザインは極地の自然風景から着想を得た。娯楽やグルメ、マリンアドベンチャー、ウオータースポーツなどの設備がそろっている。

 同型クルーズ客船の中で初めて安全帰港技術を取り入れており、緊急事態でも予備動力を使用して最寄りの港に引き返す。航続距離は海況が悪い時でも1500カイリに及ぶ。

 招商局工業集団は同日、クルーズ客船の造船所と関連産業パークの着工式も行った。造船所は13万5000トン級のクルーズ客船を2隻同時に建造可能。2022年の操業開始を目指す。関連産業パークは50億元(1元=約15円)を投じ、キャビンユニットやアルミニウム製品、ガラス製品などの関連産業を誘致して、世界トップクラスのクルーズ客船関連産業パークを建設する。

 招商局工業集団はこれまでに極地探検クルーズ客船7隻と中型クルーズ客船3隻の建造を受注した。(c)Xinhua News/AFPBB News