【9月7日 AFP】(更新、写真追加)インドの月面探査機が7日、予定していた月の南極近くへの着陸直前に通信を絶った。インド宇宙研究機関(ISRO)が明らかにした。

 ISROのK・シバン(K. Sivan)総裁はインド南部ベンガルール(Bangalore)にある管制室で、月面探査機チャンドラヤーン2号(Chandrayaan-2)の着陸船ビクラム(Vikram)について、「計画通り降下し、正常に動作していることが観測されていた」が、「その後、地上局への通信が途絶えた。今はデータ分析が行われている」と説明した。

 管制室を訪れていたインドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相はシバン氏の発言の後、科学者らに向かって「あなた方が(すでに)成し遂げたことは小さなものではない」と述べた。

 ISROは、月面探査機の着陸が複雑な操作になることは事前に認識しており、シバン氏は「恐怖の15分間」と呼んでいた。

 ビクラムには探査車「プラギャン(Pragyan、サンスクリット語で英知の意)」が載せられており、着陸から数時間後に月面に降り立つ予定だった。

 プラギャンはクレーターを調査し、月の起源や進化に加え、月の南極地域にある水の量を示す証拠を探すことになっていた。

 チャンドラヤーン2号は今も稼働中で、約1年にわたって遠隔から月の調査を続ける予定。(c)AFP