■「動物園の動物」

 複数のNGOによると、こうした土地には国の目が行き届いておらず、ギャングの温床となったり、土地の占拠が行われたりしている。最終的にそのような土地は畜産農場の一部に組み込まれることも多い。

 ウルエウワウワウの人々は、1月にジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)氏が大統領に就任して以降、侵入者らは自分たちが守られているように感じているようだと話す。ボルソナロ氏は先住民の保護区を農業や鉱業のため開放するという考えを支持しており、就任演説では、先住民は社会に統合される必要があり、「動物園の動物のように」保護区で暮らすべきではないと述べた。

「以前はこんなことはなかった。だが今、彼らはすべてを切り払おうとしている」とアワピーさんは話す。

■牛肉、聖書、銃弾

 森林に沿って車で1時間半ほど走ったところにある小さな町モンテネグロ(Monte Negro)では、農業関連業者がロデオを開催しており、約20人のカウボーイが技を競い合っていた。

 カウボーイハットにジーンズ、ブーツ姿の参加者は、数十年間にわたり切り開いた森に整備した広大な畜産農場で働いている。

 この地域は保守的な田舎町で、ボルソナロ氏の地盤となっている。住民は「牛肉、聖書、銃弾」の頭文字を示す「BBB」と呼ばれる層に属している。農業関連産業、キリスト教福音派、銃支持ロビー団体というこれら三つの強力な利益団体が、ボルソナロ氏を権力の座に押し上げるのに一役買ってきた。

 環境保護団体らは、よそ者に対し横柄で用心深い土地所有者が公有地や先住民居住区に損害を与えており、アマゾンで進む破壊の責任の一端を担っていると非難している。

 だが、土地所有者らは、先住民の土地との境界線は守っており、自分たちには土地を開発する権利があり、農業の発展がブラジル経済にとって重要だと主張している。

■「アマゾンはわれわれのもの」

 自分が育てた牛を売り込むためにロデオに来ていたある農場主は、個人的な意見だとしながら、森の木を伐採し、木や土地を売っているのは先住民自身だと語った。

 また、メディアは森林火災の拡大を大げさに伝えていると主張する土地所有者もいる。彼らはエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が先月、アマゾン熱帯雨林の保護を「国際化しよう」と呼び掛けたことをあざ笑っている。

 ある土地所有者はこう言った。「アマゾンはわれわれのものだ。マクロンにそう伝えろ!」
(c)AFP/Jordi MIRO