【9月12日 東方新報】日本では、次々と「新チャイナタウン」が誕生している。横浜、神戸、長崎の三大中華街は有名だが、主に日本人の観光客向けを対象にした中華街と異なり、「中国人による、中国人のための中華街」といえる。

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 その代表格は、東京・池袋と埼玉・西川口だ。

 池袋駅北口を出ると、雑居ビルのあちこちに中華料理店が林立している。店内に入ると、飛び交う会話は中国語ばかり。観光客向けではないため、値段はリーズナブルで家庭料理も多い。日本で手に入りにくい品物が並ぶスーパーや中国語の書店、カラオケ店もある。日本で暮らす中国人の会社員や自営業者、留学生らが中国本土と同じように食事や酒を楽しみ、カラオケを歌い、食材を買っていく空間が生まれている。

 埼玉県川口市では、西川口駅から徒歩数分で、中華料理店や中国の食品を扱うスーパーがあちこちにある。新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のウイグル料理、山東(Shandong)料理、雲南(Yunnan)料理など、日本ではメジャーではない地域の料理店も目立ち、「食の中国一周」ができそうなほどだ。

 中国で改革開放政策が本格化した1980年代以降、日本政府の「留学生10万人受け入れ計画」もあり、多くの中国人が日本に留学するようになった。バブル経済が崩壊した1990年代後半から、新宿、渋谷に比べて家賃が安いアパートが多く、通学する日本語学校にも近い池袋に中国人が集まるようになった。卒業後も日本で働き、自立して店を構えようとする中国人も増えた。治安が悪化したイメージが強かった池袋は当時、空き物件が目立ち、最初は外国人経営者の店舗を敬遠していたビルのオーナーも、中国人経営者に物件を開放するようになった。

 働く中国人たちが増え、家庭を持つようになると、日本で定住するために郊外の住まいが必要になった。そこで池袋から近い川口市周辺に中国人が住むようになり、ここでも庶民的な中華料理店が増える。西川口駅周辺はかつて、風俗街で有名だったが、2000年代半ばの摘発で多くが姿を消した。そこに中華料理店やスーパーなどが次々と登場した。

 こうした店では、観光客向けの「よそゆき」ではない中華料理が楽しめるとあって、日本人客も訪れている。東京・高田馬場周辺や横浜市南区、千葉市などでも中国人向けの中華料理店は増えている。(c)東方新報/AFPBB News