【9月5日 AFP】(更新)英下院は4日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐるボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相の計画を阻止する法案を可決した。下院はさらに、ジョンソン首相が求めた総選挙の前倒し実施も否決。ジョンソン政権は動きを封じられた形となった。

 下院はまず、ジョンソン首相による「合意なき離脱」強行を阻止し、離脱を3か月延期することを可能にする法案を可決。同法案は上院での審議に移った。

 ジョンソン氏は、来月15日の前倒し総選挙実施を議会に要請し、EUとの合意の有無にかかわらず、英国は予定通り来月31日にEUを離脱しなければならないと訴えた。

 総選挙の前倒し実施には下院の3分の2の賛成が必要だが、野党・労働党は、まず合意なき離脱を阻止する法案が上院で承認されるべきだとして、ジョンソン首相が提出した総選挙実施を求める動議の採決を棄権。同動議は否決された。

 法案採決への準備として前日に行われた投票では、与党・保守党から著名な閣僚経験者らを含む21人の議員が造反して賛成票を投じた。ジョンソン氏は造反議員全員を党から追放。樹立1か月半のジョンソン政権は議会で過半数を失っていた。(c)AFP