【9月4日 CNS】米EV(電気自動車)メーカー大手のテスラ(Tesla)は8月30日、公式ウェブサイトで、全ての輸入モデルを全面的に値上げすることを明らかにした。「Model 3」「Model S」「Model X」の3モデルを全て値上げし、1台当たりの平均値上げ幅は1万元(約15万円)を超え、値上げ幅が最大の「Model X Performance」高性能版は1万9800元(約30万円)に達する。

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 テスラによると、今回の価格調整はあくまで予測値に基づくもので、実際価格は最終的に公表したものを適用し、管理監督機構の承認待ちだ。業界専門家によると、この価格調整は為替レートの変動に起因するという。

 テスラはかつて「価格調整は全世界を対象とした行為であり、中国市場だけを対象としない」と表明していたが、中国市場での価格調整は他国に比べて頻繁だ。統計によると、過去14か月の間にテスラは中国で7回の公式な価格調整を実施している。内訳は全モデル値下げ4回、全モデル値上げ2回、一部値上げと一部値下げが1回。

 前回行った価格調整は7月16日だった。その際には、2モデルが値上げ、5モデルが値下げをし、最大値下げ幅は2万9700元(約44万円)、最高値上げ幅は3万5000元(約52万円)だった。

 テスラは2018年10月、中国の自動車製造コストは米国に比べ55~60%原価低減可能と表明した。今年の1月には、テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は、中国で初めての外資単独出資の自動車メーカーとして、上海で投資して工場を建設することを決めた。

 専門家の指摘によると、国産化が軌道に乗れば、さらに多くの低廉な価格の大衆化製品をつくり出し、大幅にテスラの経営に刺激を与えることになるだろうという。仮にベースモデルの「Model 3」が国産化されれば、コストはさらに下がり、中国の新エネルギー自動車企業に対する影響は計り知れないという。(c)CNS/JCM/AFPBB News