【9月7日 Xinhua News】中国の一部の地域では、竹林が人々の生活に欠かせないものとなっている。落ち葉の下の土から顔を出すタケノコは、中国人にとってのグルメであり、趣のある食べ物でもある。また、風雅な文人に好まれるとともに、そのおいしさと値段の安さから、庶民に広く愛されてきた。

 立秋を過ぎて秋めいてきた中国重慶市(Chongqing)の観光名所、金仏山(Jinfoshan)では、年に一度のタケノコ掘りの季節を迎えた。この土地で生まれ育った大勢の人が続々と故郷に戻り、大自然からの贈り物を収穫するために、うっそうと茂る山林に足を踏み入れている。同地で採れるシホウチク(金仏山方竹)のタケノコは、春や冬に採れるものとは異なり、秋に収穫期を迎える。

 世界自然遺産に登録されている金仏山の標高1400~2000メートルの場所で育つこの独特なタケノコの断面は四角形で、多種の微量元素やビタミンを含んでいる。また、その実は柔らかく肉厚で、見た目も味も良い。その上収穫量も少ないことから「タケノコのチャンピオン」や「タケノコの王様」と呼ばれている。タケノコ掘りに訪れた人は、運が良ければ1日に6000本以上を収穫でき、1シーズンで7000~1万元(1元=約15円)程度の増収が見込めるという。

 重慶市南川区(Nanchuan)には現在、10万ムー(約6667ヘクタール)を超えるシホウチクの竹林がある。収穫期には毎年1万人以上がタケノコ掘りに訪れており、シホウチクが地元の農村を貧困から脱却させ、豊かにさせる特色ある農産業となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News