【9月9日 CNS】パソコン5000元(約7万5000円)、スマホ2000元(約3万円)、衣類2000元、スーツケース500元(約7500円)、生活予備費1万元(約15万円)――今年、子どもが大学に入ることになった中国・湖北(Hubei)籍の肖さんの買い物リストにはたくさんの数字が並んでいる。

 入学シーズンになると、幼稚園から大学に至るまで、高額なものでは100万元(約1500万円)を超える通学用のマンションから100元(約1500円)足らずの文具など、親は子どものために買い物に奔走する。「入学シーズンの買い物は金に羽が生えて飛んで行く」と嘆く人も多い。

 専門家は「過度な消費は避けよう」「子ども同士が比べあうような悪い習慣はやめよう」「入学シーズンを安く経済的に過ごそう」と呼び掛けている。

「1人目が学校に行く年齢になったので、今年は入学登録をする前に、学校に通うための家を150万元(約2220万円)出して買ったよ。私も女房もサラリーマンだから懐は苦しく、祖父が助けてくれなければ無理だったね」と蘭州市(Lanzhou)の蘇さんは言う。

 多くの都市では、100万元をはるかに超える通学用の不動産購入が「究極的な買い物」となる。北京市西城区(Xicheng)の不動産仲介会社の営業マンによると、毎年、入学前の期間が、通学用物件の取引が最も活発となるシーズンで稼ぎ時だという。「保護者らは、子どもがより良い環境で教育を受けるための必要な投資として、喜んで金を出す」

 不動産のような大物に比べ、より普遍的にみられるのは、電子製品や衣類だ。あるネット通販の営業員は、毎年、入学時期になると、オンライン・オフラインを問わず、児童や生徒に対する販売キャンペーンを行うという。

 文具関連の買い物では、親の性格が出る。1本20元(約295円)のボールペンにするか、それとも1本300元(約4430円)以上の輸入ものの万年筆にするか。往々にして輸入品のブランド文具の売れ行きが良い。

 入学シーズンの「爆買い」は、実際のところ、保護者にとっては負担となっている。「実際に学校に入ってから、子どもがいかに『金食い虫』かわかる」というのが大多数の保護者の感覚だという。ただ、「あそこの子どもが持っているのだから、うちの子どもも持たせてやらねばかわいそう」と行動する親にとって、負担は負担でも「幸せな負担」なのかも知れない。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News