■銃による死亡者は1日約57人

 アレックスFMは、アパルトヘイト制度が廃止された1994年に誕生した。

「チルドレンズ・ラジオ・ファンデーション(Children's Radio Foundation、CRF)」の技術指導員サミー・ラモディケ(Sammy Ramodike)氏は「銃による暴力について話すたびに、スタジオ内が感傷的になる」と語る。「モニカという名の少女がいた。彼女の父親は銃で撃たれて死んだが、不幸なことにその日はちょうどモニカの誕生日だった」

 全国犯罪統計によると、殺人事件は2012年以降増加しており、昨年の1日あたりの死者数は約57人に上った。CRGとともにビガー・ザン・ライフを支援するガンフリーSA(GunFree SA)によると、このうち約3分の1が銃によるものだったという。

 2017年の調査によると、南アフリカの違法銃器は少なくとも200万丁、正規登録済みの銃器は300万丁あると推定されている。

 ガンフリーSAのマリーアン・ノベレ(Mary-Ann Nobele)氏は「南アフリカでは多くの人が自衛のために銃が必要だと言っている」と指摘する。

「若者は何らかの形で銃による暴力の影響を受けている」とノベレ氏。「この番組を若者に任せたのは、私たちの問題や経験を聞いてもらうためであり、他の若者にこの問題を経験しているのは自分だけではないと分かってもらうためでもある」

 映像は3月17日撮影。(c)AFP/Michelle GUMEDE