8人の候補者と経歴は以下の通り。候補としているが、いずれも選ばれると予想される。

■于敏(Yu Min)氏(男性)

中国の「水爆の父」といわれる核物理学者。1961年から28年間にわたり、機密保持のため名前を伏せながら水爆の理論研究に従事。水爆実験を成功させた。今年1月、92歳で死去。

■申紀蘭氏(89、女性)

若くから「女性も農作業に携わり、男性と同じ報酬を得るべきだ」と提唱し、共産党中央の注目を集める。1954年の第1回全国人民代表大会(国会に相当)から現在の第13回全人代まで山西省の代表を務める。

■孫家棟(Sun Jiadong)氏(90、男性)

ロケット・人工衛星技術の専門家。長年、国産人工衛星プロジェクトの主導者を務め、月探査計画「嫦娥(じょうが)計画」の元総設計士。

■李延年(Li Yannian)氏(90、男性)

1945年から解放戦争に従軍し、国共内戦から朝鮮戦争、中越戦争まで20以上の戦役・戦闘に参加した「老革命軍人」。

■張富清氏(94、男性)

国共内戦で勲功を挙げる。1955年に退役後、湖北省(Hubei)の貧困地域の振興に生涯をささげる。60年間、自分の勲功を周囲に知らせないようにしていた。

■袁隆平(Yuan Longping)氏(88、男性)

1960年の飢饉(ききん)で多くの農民の命が奪われた現実に直面し、収穫量の多い米の品種研究に打ち込み、ハイブリッド米を開発。中国の農民はよく「2つの『平』のおかげで、ごはんが食べられる」という。農業生産の責任制度を導入した鄧小平(Deng Xiaoping)氏と袁隆平氏を指す。

■黄旭華(Huang Xuhua)氏(93、男性)

中国の「原子力潜水艦の父」といわれる。国家機密を守るため30年間、「隠姓埋名」(名前も身も隠し、人知れず)研究を続けた。

■屠ヨウヨウ氏(88、女性)

医学者。多くの命を救った抗マラリア薬であるアルテミシニンなどの発見者。2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した。中国本土の理系学者として初のノーベル賞受賞者。

(c)東方新報/AFPBB News