【9月3日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)は2日、女子シングルス4回戦が行われ、10代の頃に神童と呼ばれながらも、そのキャリアが行き詰まっていたドナ・ヴェキッチ(Donna Vekic、クロアチア)とベリンダ・ベンチッチ(Belinda Bencic、スイス)が、それぞれ8強入りを決めた。

 大会第23シードのヴェキッチは6-7(5-7)、7-5、6-3でユリア・ゲルゲス(Julia Goerges、ドイツ)を下し、自身初となる四大大会(グランドスラム)準々決勝進出を決めた。

 現在23歳のベキッチは、16歳だった2012年にツアー大会で初の決勝に進むと、2014年にはツアー初タイトルを獲得。その翌年と翌々年は世界ランキングでトップ100から陥落したものの、今大会では25回目となったグランドスラムのメインドローで初めて準々決勝に進んだ。

 ヴェキッチは「特に若い頃は、誰もが失敗を犯すもの。何が自分を変えてしまったのか分からない。あの頃、自分は正しい判断を下していたと思っていたから」と語っている。

 一方第13シードのベンチッチは、前回王者で世界ランク1位の大坂なおみ(Naomi Osaka)を7-5、6-4で退け、グランドスラムでは2014年の全米以来となるベスト8に駒を進めている。

 22歳のベンチッチは、16歳の時にジュニアの世界1位に君臨し、2014年の全米は17歳で8強入りを果たした。これは、1997年大会のマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis、スイス)氏以降では最年少の準々決勝進出だった。ベンチッチは現在、そのヒンギス氏とその母からの指導を受けている。

 2015年にツアー初優勝を飾り、同年のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2015)では世界ランクトップ10の4選手から白星を挙げて大会を制覇したベンチッチだったが、その後は手首のけがで手術を受けて苦しみ、今年2月のドバイ・テニス選手権(Dubai Duty Free Tennis Championships 2019)で久々のタイトルを獲得した。

 ベンチッチは「けがをしたとき、このレベルでまたプレーできるのかと思うときがあった。一方で、復帰して体調が良ければこのレベルでプレーできるとも信じていた。何度もそうやってきたから」と振り返った。

「みんなただ上がっていくことを期待している。テニスはそうなるものじゃない。本物のアスリートは障害やけが、ただただ厳しい時を克服しなければならないと思う。そういったことが私を強い人間に、より良い選手にしてくれた」

 この日行われた4回戦では、第25シードのエリーゼ・メルテンス(Elise Mertens、ベルギー)が、ワイルドカード(主催者推薦)のクリスティ・アーン(Kristie Ahn、米国)を6-1、6-1で退けて準々決勝に進出。メルテンスは4強入りを懸けて、第15シードのビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)と対戦する。

 アンドレスクは6-1、4-6、6-2で予選勝者のテイラー・タウンゼント(Taylor Townsend、米国)を下し、8強最後の枠をつかんでいる。(c)AFP