【9月3日 AFP】(更新、写真追加)アフガニスタンの首都カブールで2日深夜、大きな爆発があり、当局によると少なくとも16人が死亡、119人が負傷した。爆発は、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)との交渉を指揮する米特使がカブールを訪れていたさなか、外国施設が集まる「グリーンゾーン(Green Zone)」の近くで起こった。タリバンは爆発について、同勢力による攻撃の一環だと主張している。

 アフガニスタン内務省のナスラト・ラヒミ(Nasrat Rahimi)報道官によれば、現場は支援機関や国際団体が入居する大型施設「グリーン・ビレッジ(Green Village)」。爆発物を積み同施設近くの壁沿いに止められていたトラクターが爆発した後、5人組の武装集団が周辺を襲撃しようとしたが、施設奥部まで侵入する前に治安要員によって射殺された。死傷者は全員が民間人だという。

 アフガニスタンの大手テレビ局トロニュース(Tolo News)はこの日、米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガニスタン和平担当特別代表のインタビューを放映していた。

 その中でハリルザド氏は、米国とタリバンによる合意の可能性を語っていた。合意案は、タリバン側が治安面でいくつかの項目を保証する見返りに、米軍が駐留兵士を削減することを中心としており、さらにタリバンとアフガニスタン政府による広範な和平交渉や最終的な停戦が焦点となっている。

 アフガニスタン生まれのハリルザド氏は同国の公用語であるダリー語で、「合意に従って条件が整った場合、われわれが現在駐留している基地5か所から135日以内に撤収することで一致した」と述べた。

 しかし、米・タリバン間の合意に向けた交渉が最終段階に入ったとの見方が広がる一方、アフガニスタンでは各地で暴力が発生している。(c)AFP/Thomas Watkins and Emal Haidary